“リモートワーク”という言葉が定着したけれど、都心の自宅事務所を離れてもう1年ほど、房総半島の富津で遊び半分過ごすライフスタイルを実践してきました。
その拠点を今春、富津から南房総に移すことになり、愉しい時間を過ごしている。自転車のオーダーをするときと同じで、どんな新しい自転車を誂えるか考えて悩んでいるときがいちばん愉しい。
新拠点は岩井海岸から富山方面に12〜13kmほど入った別荘地の南斜面。トタン屋根が錆びた掘立小屋がポツンと建っている。
水道は引くけれど、電気はいらない。ソーラー発電キット、簡易トイレ兼シャワーテントを注文した。リモート滞在拠点だからこれでいい。でも、防腐木材のピクニックテーブルやイスとパラソルは必要だな。リモートだけどリゾート気分。
里見八犬伝の舞台でもある立地。近くに「伏姫籠穴」、平群という集落に「HEGRI HUB」というサイクリング施設がある。低い山でもポツンとあるから長めはいい。
まずは掘建小屋のリビルトから取り組む。自転車仲間を呼んで、屋根と壁と床を張り替え、水道屋の仲間に配管してもらい流し台を据える。南の窓際にソーラーパネルを設置。
その次は、敷地内に2本ある花粉を飛ばす杉の樹を伐採。これが大変そうだが、ご近所の住人は薪の木材を欲しいらしいので、切った杉は労働対価に差し上げる予定だ。そう、この地では、十分な安全策をすれば火を燃して愉しむこともできる。
映画、日本鎮没で島になった房総半島。新拠点はたぶん、沈まないと思う。湧水もある。
でも豊かな自然に不安もある。草地に猪や鹿がヒルを落とすやもしれぬ。裏山の孟宗竹の根が敷地に伸びてきて難儀するかも……。いやはや、陽だまりの斜面で愉しい妄想に浸っている今日このごろです。