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大いに悩み、苦悩の判断でした。

ゴールデンウィークに2つのロードレースで審判執務。1つ目のMATRIXレースはレース進行管理を担当。タイムスケジュールを崩さない。それが進行管理の目標だ。

選手を招集しスタートラインに並ばせる過程で、ゼッケンや、電子計測センサーや、ヘルメットのかぶり方などをチェック。不具合があればその場で直してもらう。これもレース管理の一環。スタートラインに並んだ選手たちに、最終アナウンスで注意喚起。

これから始まる「レース周回数・距離」と、「キープレフトで走行し、抜くときは右から」、さらに「顔をあげて前を見て走りましょう」、これらは常套句。この日は午前に“雷注意報”が発令されていた。

注意報なら問題ないが、“雷警報”に変更されるとレース短縮(周回数減)や、遠雷が聞こえればレース中止も視野に入れる。その可能性を最終アナウンスには含めた。上空を離着陸で飛行機が頻繁に飛ぶので遠雷が聞こえにくく、警報を気にして執務した。

まあ、レースの安全管理には他にも気にすべき観点がいろいろある。

落車対応も大事です。コース清掃、コーステープ貼り、注意看板の設置、コースマーシャル(立哨役員)配置、サグワゴン(回収車)待機、救急テントには看護師が待機、さらにMATRIXレースでは現役の救急救命士がロードバイクで並走して安全管理に寄与する。

敬愛する救急救命士のS氏は、「救急車は命を守るために出動する」ので、「むやみに救急車を出動させない」が持論。練習中にクルマに轢かれたとき、自己診断で救急車に乗らずに自走で病院まで走ったら骨折していたとの武勇伝がある。

落車して擦過傷を負うことはよくある。

傷を洗い流して清潔にし、ワセリンを塗り、滅菌ガーゼや絆創膏で覆う。これが救急対応のパターン。だが、寒気を訴え、ショックで震え出している場合は、救急車を要請する場合もある。

移動日を挟んで、2つ目の審判執務はコース際での立哨。

朝から雨が降っていた。

雨具は持参したが、移動手段のクルマに長靴をうっかり積み忘れた。

執務ポイント到着、周辺のコースから滑りやすい落ち葉などを撤去し、無線のロールコールに応じる。雨の直撃を避けられる植え込みの下で試走選手を見守った。だが、長靴でない日常生活防水仕様のスニーカーには雨水が侵入、カラダを冷やす。お菓子で血糖値を上げ、その場ダンスで運動するも寒気は去らない…。

“Doctor Yourself”という言葉がある。自分を理解し、自身の健康管理をし、自己管理する。暮しの手帖元編集長でエッセイストの松浦与太郎氏がラジオで語っているのを聞いて感銘を受けた。立哨執務では、落車事故などが目の前で発生したとき対応が必要。寒気を覚えている体調不良で執務に責任を果たせるのか? まさにDoctor Yourself。

              

午前レースの終了後、熟慮の末に「寒くて気分が悪いため、誰か代わってください」と無線した。我慢すれば午後のレースも立哨ポイントにいることはできただろう。しかし、ちゃんと機能できなければ意味がない。忸怩たる思い。

さあ、切り替えよう、まずはよく食べ、呑み、ぐっすり寝る。 ゴールデンウィークの疲れから回復するべし!!

Post Author: coppi