
富津岬の周回路を走る早朝のルーチン、破りました。
ひどい向かい風にうんざり。
そこで向かったのは富津岬の“堡塁砲台”。
「ほうるいほうだい」と読む。富津岬に明治17年(1844)に作られた遺構・軍事要塞です。
浦賀水道を見下ろす高台に構築されたそこは、外堀に海水を引き込み、口径28cm榴弾砲と12cmカノン砲が据え付けられた。戦前の岬は軍事施設でした。
何度も紹介しているマイコース富津岬ですが、堡塁砲台を書くのは初。
浦賀水道といえば、黒船来航に備えて江戸幕府が海堡3基を造営。これも砲台でした。
堡塁砲台は大正11年(1922)からは、旧陸軍技術本部の実射試験場になった。
第二次大戦が終結して6年後の1951年に千葉県立公園となり、現在は大砲の砲座や石垣・煉瓦積みの壁だけが残る。そこに1953年、高さ11mの“中の島展望塔”が建った。
富津岬は先端に高さ21.8mの素晴らしい明治百年記念展望塔がある。
しかし、展望塔からのパノラマは高台の堡塁砲台にある中の島展望塔が一枚も二枚も上手!!
外堀から展望塔へのアクセスは、メインが北側にある太鼓橋を渡り土塁の堀割りから上がるルートと、西側にある端正なフォルムの行幸橋からのルートがある。
午前5時台の中の島展望塔から見た浦賀水道は、白浪が立っていて風速10m以上。大型船が次々と太平洋から湾内に入る。上空も羽田空港に降下するジェット機が頻繁に現れる。
大型船が東京湾航路に続々と入ってくる
それにしても絶景。展望塔から北を見渡せば、左手前が京浜工業地帯、右が京葉工業地帯。
工業地帯の奥は三浦半島、その奥が丹沢山系、そしてシルエットの富士山。
海にはうさぎが跳ねている。
強風なので視界はクリア、上空の雲は高くて気流の流れがよくわかる。
南は房総半島の山々の連なりで山裾が風を遮るので海面は少し穏やかだ。
強風を物語る工業地帯の煙突から横方向にたなびく煙
中の島展望塔で独り、南を向いて無心にラジオ体操。
足を揃えて背を伸ばしたら、突風で体勢がグラついた。湿った海風が強烈。
第一体操を終え、下を向くと荷物が風で隅に寄せられていた。
こんな日は、走るのは危ない。だよね。
ウサギが跳んでる。くわばらくわばら