オーディナリーとベロシペードが渾然とした1880年代にあって、「安全」を標榜できる自転車として評価されたのがこの「ローソン」だ。
1879年にH.J.ローソンが特許を取得して1880年にラッジにより製品化したこの後輪チェーン駆動自転車は、ブライドルロッド式の操舵機構が特徴。今日の自転車と同じような乗りやい乗車姿勢がとれたし、足つき性もいい。重量65.5ポンド。この自転車をフランスの背の高い自転車と区別するために “ビシクレット”と呼んだ。
ローソンの別称はダンディー車。イラスト男性も正装で決めている。H.J.ローソンは自動車産業のパイオニアのひとりでもあった。
ローソン安全自転車は、イギリスの科学博物館に所蔵。
イラスト:「オランダの自転車風俗画」ニューサイクリング1966年Vol.4より引用(元資料:©️1949:Lemet.Hilversum.Holland)
参考:https://www.gracesguide.co.uk/Henry_John_Lawson:_Bicycle