Site Loader

ルールは破るためにある。いや、それは違う。ルールがないと公平・公明に競うことができない。する側、させる側、観る側。三者のためにルールはある。

それを実感したのは6月27日に信州・佐久で開催された『第10回トライアル選手権大会』だった。コロナ禍で2年ぶりに集まった選手、運営関係者、そして観客に開会式でルール変更のアナウンスが告げられた。

TRIALSミニ解説1

足を付かずに障害物区間を通過すれば10ポイント加算。参加カテゴリー毎に色分けゲートがある。6区間を2分00秒99以内に通過して60点獲得を目指す。

 

TRIALSミニ解説2

5つのセクション(難易度の異なる障害区間)に6つのセクター(個別の障害区間)が用意される。5つのセクションを2ラップして総合点を競うわけだ。

ルール変更のポイントを日本自転車トライアル協会(JBTA)の甘利昇氏に聞いた。

「世界的には一昨年からレギュレーション変更で減点方式から加算方式になりました。新ルールでは審判が現時点のポイントをカードでかざすので、誰が見ても目の前の選手の成績が分かります」

TRIALSミニ解説3

参加選手は年齢別カテゴリー。プッシン(9〜10歳)、ベンジャミン(11〜12歳)、ミニメ(13〜14歳)、カデット(15〜16歳)など。子供の参加者が多い。

 

TRIALSミニ解説4

セクションで選手は自分の番号札を審判に渡して円形の順番ボードに提示してもらう。走行後の成績はすぐに張り出される仕組みで分かりやすい。

新ルールでの全日本選手権、ダントツな技のキレと潔い戦い方により男子エリート20クラスで全日本チャンピオンに輝いたのは地元の土屋凌我選手(21歳)だった。

「5歳からやってきました。コロナ禍になる一昨年まではワールドカップ転戦をしていたので海外ライダーを研究して技の引き出しが豊富にあるのが僕の強み。今はアルバイトをしながらプロになるためトライアルに専念しています。塩崎太夢くんと僕でプロチームを作りたい」とコメント。

●セクションで審判に番号札を渡した土屋凌我選手。走る前に入念に自分の走るカテゴリーのゲート、そのルートを歩きながら最終チェックを行なう

“トム”こと塩崎太夢(22歳)は捻挫のため参戦しなかったがマイクを持って会場アナウンスで選手視点の実況解説。冬は地元北杜市でスノーボードのインストラクターを務めているだけあり説明がわかりやすくて親切。土屋も塩崎も小学生時代からバスケットボールで体力を培った。

●解説の一環で機材解説するトム。トライアルは車輪が26インチと20インチの2クラスがあること、チューニングのノウハウを語った

前日までの雨が上がり空も高い。レース会場にはキッチンカーが並び楽しい雰囲気で、小さな選手たちがかわいい。爽快な風が吹いていた。トライアル競技、観る人たちが面白くて分かりやすい。

TRIALSミニ解説5

審判は2人ペアで執務。ストップウォッチ、スコアカードは必携。選手に追随してゲート通過と反則を厳しくチェック。獲得ポイントをリアルタイムで示す。

 

TRIALSミニ解説6

派手に見えるトライアルだが、基礎スキルはスタンディング&ウイリー。常にバイクの中心に位置するのが鉄則。バランス感覚と瞬間判断を養うのが肝心。

今回のルール変更、トライアル競技がメジャーに向かう始めの一歩でしょう!

 

リザルトはこちら

http://jbta.jpn.org/img/event/2021/jnc/2021_jnc_COM_08_11.pdf

 

Post Author: coppi