小さな前輪を前方にレイアウトした「アメリカン・スター・バイシクル」(AMERICAN STAR BICYCLE)は、ハイホイーラー固有の前転を防ぐためのデザイン。1880年にG. W.プレッシーが発明し、1881年にニュージャージー州の工場で生産。1885年にはその安全性を実証するためにアメリカ合衆国国会議事堂前の階段を下ってピーアールした。
小さな前輪は操舵輪、大きな後輪は駆動輪で、開発後すぐに空気入りタイヤを装備。ブレーキはスプーン式で後輪にだけある。乗り手の位置バランスにより砂や砂利の路面をスムーズに走破できた。独立した足踏みレバー式駆動にはラチェットと革ストラップが組み込まれ、ストラップ位置を変えることでギヤ比を変更可能。また、足踏みレバーを左右同時に押すとトルクを一時的に大きくできた。価格は75ドル〜120ドル。
1883年にイギリスに上陸して有名なアマチュアレーサーも使い、1880年代中頃にポロにも使用されたが、結局は流行らなかった。このようにオーディナリーの亜流はたくさん作られていた。
イラスト:「オランダの自転車風俗画」ニューサイクリング1966年Vol.4より引用(元資料:©️1949:Lemet.Hilversum.Holland)
参考:https://en.wikipedia.org/wiki/American_Star_Bicycle