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サボテンの小径はお気に入り。 この日は浜辺で焚き火をしました。
先日、波打ち際をちょっと高めの運動強度で走ったら、歯茎あたりの血管までドクドクと激しい拍動で、「雨あがりの砂浜はタイヤが沈んで走れない」とfacebookにアップ。正直いえばキツかった、というか体力が落ちたなぁ。だからこの日はの〜んびり。
県道から逸れて海への道へ。すると、民家の入り口に、「ご自由にお持ちください」と、鉢植えの小さなサボテンがあったのでご好意に甘え散歩自転車の前カゴに入れた。サボテン好きの住人さんに親近感。
我が散歩自転車はフラットハンドル・グリップシフト・外装7段変速・700x32C・前カゴ・泥除け・馬蹄錠付きの平凡パパチャリだけれど、マジで姿勢を低くしたいトレーニングモード時は、カゴサイドに手を置いてTT姿勢になれる。そのカゴには、農家の無人販売小屋で買う野菜や花も積む。
浜辺に伸びる松の防砂林沿いの遊歩道を走っていると、前方の浜辺で煙があがっていた。
波打ち際で煙。近づくと、老人がひとりで焚き火をしている。さらに近づくと、消波ブロックの向こうで流木を一列に集め、スコップで穴をいくつも掘り、風下から順に燃やし始めたらしい全貌がわかった。ひと目見て、遊びではなく、流木処分をする奉仕活動と理解できた。
お手伝いしていいですか? 声をかけて、返事をもらったが、地元言葉でよく意味がわからない。漁師言葉か、それでも表情に拒絶の色はないから、仲間に入れてもらう。
離れた穴に、乾燥した小枝を組んだ。次に、流木のなかに割れた大ぶりな竹があったので、これをヒシャク代わりにして、燃えている焚き火から熾火を移した。潮風が断続的に吹いている。
老人が、「西だからな」と、笑顔で風向きを教えてくれた。「汚れるぞ」と気遣ってくれる。
もっといっぱい会話があった。けれど、単語で聞き取れる部分はあるが、言語としてはほとんど意味不明。その間に自分の穴も盛大に炎が上がった。楽しい。
「もうやめとけ」と老人。
どうやら、僕の着る赤いダウンジャケットに火が移らないかを心配してくれているようだった。
「火がついたら海に飛び込みますよ」と応えると、「海はな、3月にならんと冷たい」と笑われた。
「冬だからな、(乾燥しているから)燃えるんだ。夏じゃ燃えねぇ」。
お気に入りのルートを説明しよう。
大貫海岸の岩瀬川の側にある弟橘媛(オトタチバナヒメ)の像を起点に、防砂林のなかを抜ける遊歩道に入る。遊歩道は途中で海沿いになり、富津海岸、大佐和海岸(サボテン自生地)で、この区間の後半は波打ち際を進む。
下洲漁港と富津海水浴場の部分は県道だが、海水浴場から先、布引海岸から富津岬遊歩道までは波打ち際というルートだ。
波打ち際は、歩いて砂が締まっていれば自転車でも走れる。
ルートの初めから終わりまで左手は東京湾入り口の浦賀水道で、一日500隻もの大型船舶が通る。その向こう側は三浦半島で、潮騒が耳に心地よく、晴れていれば富士山がくっきり望める。
サボテンの自生地は、流木利用の橋がある。
ここのサボテンは、いわゆる“うちわサボテン”が多い。ダンボの耳みたいな葉で地表から低く育っている。
葉状のサボテンには赤い実がなっている。割って食べると美味しいが、舌に細かいトゲが刺さると数日は痛い。トゲは厳しい環境でも生き抜ける防衛力、油断して触ると痛い目にあう。
潮騒と潮風と青空のサボテンの小径。波打ち際での焚き火。
冬の風物詩でした。