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気分転換で気楽に読み飛ばしてください。

出版社を辞めて個人事務所を立ち上げるとき、つい付けた名称が「バックス事務所」。欧文だと「Bacchus」。 そう、酒の神でもあるバッカス。 失笑を買いそうですが、ギリシャ神話に登場するバッカスは若く美しい美男子で、女たちが群がります。夜は森の奥で火を焚き酒池肉林、興奮が頂点に達すると……。ああ、そんな願望があったのかなぁ。

日曜はカトリック教会でミサに授かる純真な少年でしたが、キリストの復活を象徴する聖変化(ホスチアという煎餅と、ミサ用ワインが儀式によりキリストの血と肉に変化)で、大人たちは大きな杯付きグラスからワインを舐められるのに子どもはダメ。飲んでみたいと身を焦がしました。で、あるときに舐める機会があり、「なーんだ、赤玉ポートワインじゃねーか」と感じたものです。

最古のアルコール飲料は、旧約聖書ではノアが農夫になりブドウ畑をつくりぶどう酒に酔ったとか、新石器時代か青銅器時代のはじめに大豆の粥が戸外で腐ったものからできたビールだとか、ハチミツに水が混じって発酵した蜂蜜酒だとか、野生の果物が発酵してできたものとか諸説ありますが、ワインかビールではないでしょうか。

ちなみに幼稚園児のとき、赤玉ポートワインを親に隠れて飲みぶっ倒れて救急車を呼ぶ騒動を起こした前科持ちです。

ミサ用ワインも種類があるとは思いますが、味はスイートべルモットのように思えます。甘い赤ワインにプラス薬草みたいな何かきっと混ぜてある。それで幻覚や妄想の世界に誘う。

自転車競技マニアは、「ペルノー杯」をご存知でしょう。ペルノーは水で割ると白濁するアブサン。1958年〜1988年で欧州ロードレースで有力選手を選ぶコンテスト(Super Prestige Pernod)でした。ミサワインもアブサンも、舐めるだけで精神世界にぶっ飛べる。魅惑的ですね。

ミサワインみたいな酒の味は、下写真のスイートベルモット、またはカンパリで味わってください。ギンギンに冷やしてソーダー割りがオススメです。

参考文献:「ビールの文化史」春山行夫の博物誌Ⅵ 平凡社刊

Post Author: coppi