レース大会立哨役員、ツアーガイド役にも知っておいてほしい非常時対応、今回は受傷者対応の基礎知識。
大切なサイクリング仲間を護るのはあなた!
「RICE」は、応急処置の基本です。
R=rest(安静):損傷部位の膨張や血管・神経の損傷を防ぐのが目的。患部に荷重をかけない体位で安静にする。手拭いや添木(骨折の場合)で損傷部位を固定する。
I=ics(冷却):損傷部位を冷却。
C=compression(圧迫):損傷部位の内出血や膨張を最小限に抑えることが目的。鬱血しない程度に損傷部位を末梢から中枢(手足の末端から心臓の方向)に向かって圧迫する。
E=elevation(挙上):膨張の予防と軽減を図ることが目的。損傷部位を心臓に比べて高い位置にすることで、内出血による膨張を防ぐことができる。
「CPR」は、心肺蘇生=心臓マッサージです。
心肺蘇生は、呼吸が止まり、心臓も動いていない人の救命へのチャンスを維持するために行なう循環の補助方法。救急車到着まで、心臓マッサージを主に行ない、余裕があれば気道確保する。
1分間に100~120回の速さで胸骨圧迫を30回行ない,気道を確保し(あご先を挙上させ頭部を後屈させる)、2回の人工呼吸を加え、胸骨圧迫を30回行なうことを繰り返す。
心臓マッサージの講習を一度は受講しよう!
市街地であれば、「AED」を誰かに持ってきてもらう!
スマホでAEDマップを検索すると、近くにAEDがある施設がわかる。
AEDの取り扱いはマニュアルに従ってやるだけ。簡単。できれば事前に消防署などで定期的に開催される講習会を受講しておこう。
AEDを繰り返しても心肺蘇生しない場合でも、心臓マッサージは救急車到着まで続けてください。
救急車を呼ぶほどの事故が起きたら、サイクリングは中止して責任者は必ず所轄警察に出向いて事故届を提出する。事故届がないと、事後に保険請求をするときに困る。
転ばぬ先の杖。落車しない、事故を起こさない。そのためには適度な休憩や、体調を崩さないように、リスクマネージメントを心がけよう!!
<参考引用資料>
「サイクルセーフティサミット2018」
https://www.cyclowired.jp/lifenews/node/282543
「JPETC 外傷病院搬送前救助ガイドライン」
https://shonan-mc.org/katsudoguideline/399-trauma-guideline-2022
「重症頭部外傷治療・管理のガイドライン」(日本脳神経外科学会)
「TORCH スポーツイベント事故訴訟、「安全配慮義務」とは」
「さんむ医療センター 「RICE処置」とは」
https://www.sanmu-mc.jp/content/files/news/20211207soumu.pdf
「横須賀医師会 「トリアジー」(災害時医療の3T)について」
https://www.yokosukashi-med.or.jp/disaster/2-3
「もしものときの応急手当」③ ~すり傷・切り傷で出血したとき~ NHK健康ライフ放送日:2023/08/02
https://www.nhk.or.jp/radio/magazine/article/my-asa/ken20230802.html
SECOM 「回復体位とは?」
https://www.secom.co.jp/business/medical/aed_column/10.html