高額商品をポンと現金払いで買う人は少ない。電子マネー時代で即金は時代遅れだが、分割支払いすると高くつくのは昔と同じ。
江戸時代から、高額商品を先渡しで代金を後から回収する販売方法はあったそうだ。第二次大戦後は月賦販売が広がった。 金利5%で月賦販売シーンをリードしたのは“月賦デパート丸井”こと現在のマルイで月賦の呼称が後にクレジットになった。
上の写真は、1957年に東京・上野の横尾双輪館が刷った割賦販売カタログ。同年には小坂一也の歌「青春サイクリング」が発売されてヒットした。 1953年〜54年には第一次サイクリングブームが間欠泉のように噴出したがすぐに止み、運搬用途の実用車はエンジン付きへと人気が移り、軽快車、やがてミニサイクルへと自転車需要は様変わり。
そんな時代にサイクリング趣味の人に向けたセレクトモデルを横尾双輪館カタログでチェックしよう。 いずれもJCA推薦車とのお墨つき、フレームカラーは数色から選べて価格帯は1万7000円〜3万円台(1957年の大卒公務員初任給9,200円)。サドルバッグを装着し、ハンドルはノースロードフラットかドロップ。外装3段か内装3段変速である。
普及車 Volks Popular(後にHolksと改称)
フレームは普通鋼管。ダイヤモンドフレームの男子用は1万7000円でスタッガードフレーム女子用は500円高。フレーム素材がハイテンションになると1,000円高の価格。
男子用価格 1万7000円 オプション 発電ランプ1,000円 英国製BSA三段変速ハブ5,000円
中級車 サン号 ツーリストG型(秀光車サン号)
アップターンハンドル、全ケース、マッドガード付きの英国風スポーツ車、紳士の散歩用に最適。サドルはコイルスプリング入り。
価格2万6000円
2万7300円(10回月賦価格)
高級車 ローヤルノートン号RNS102型
英国型と仏国型の長所を取り入れ日本の国情に適した車に仕上げた。フレーム素材はハイテンション鋼管で、カラーは6色から選択自由。
価格2万6000円
2万7300円(10回月賦価格)
高級車 アルプス クラブマンエース
英国風の洗練された車でオーダーメイド方式をとる。フレームはハイテンション鋼管でベアシステム、ストレートドロップエンド採用。外装4段変速。
価格3万1000円
3万2550円(10回月賦価格)