自転車旅を信頼にたる案内付きで楽しめる。それがガイド付きサイクルツーリズムの姿。僕はそう定義している。
先週末は体温を上回る酷暑の都会を離れ、輪’s(りんず)プロジェクトの仲間たちと1泊2日で河口湖サイクリング合宿。 輪’sは主宰者ナオさんを中心に自転車スクール実施、サイクルツーリズム推進、自転車競技普及を目指している。この河口湖サイクリング合宿は、三十代の若いスタッフが、経験値や性別のバラバラな人たちを、安心・安全に自転車旅を楽しませるためのサイクルツーリズム研修の一環だ。
プランナーはヨッシー。スポーツ指導を学んだ経験があるカメラ好きの青年だ。3カ月ほど前から仲間内のSNSで素案から情報公開し試行錯誤してルート作成、宿泊施設や食事提供の具体案をつくり上げ、施設予約をし、集合地点に来る参加者への通知までのすべてをこなした。ヨッシー、お疲れさま。 サイクルイベントの成功は天候に左右されやすい。どんなイベントもアウトドアの場合、ほとんどは雨天中止。イベント催行可否は通常、前日夕方にはネットで通知する。coppiは降水確率30%以上を中止の目処にしている。
貸別荘でカレーライスを作ってくれたシェフは参加者で圧力釜持参、美味しかった!
サイクリング合宿には、スクールの生徒さんや、ゲストライダーとして群馬グリフィンレーシングチーム所属の古田潤選手も参加してくださった。12人を2グループに分散し、ヨッシーは自ら先頭ライダーを務めつつツアーを引率した。一列縦隊で走るときは5〜6人にグループ化するのが基本。先頭と最後尾はツアーガイド役で固める。
夜はチューソンによる講座で、身体に関するメンテナンス指導
出発前ブリーフィングは全員集合で、コースや注意事項を説明。酷暑対策として水飲み休憩を頻繁にとる、またガイドスタッフそれぞれが救急用品やメカトラブル対応備品の所持を確認した。先導ガイドは、手信号や声がけで後ろからの参加者を気遣う。最後尾ガイドは、後方からのクルマ接近に注意を払いながら前を走る参加者の確認と、赤信号で分断されそうなときの注意喚起。迷子を出さないように護送船団方式(古い表現!)で走る。
今回はランチ休憩に設定していたパン屋さんのテラス席にハプニング発生。なんと、蜂の巣ができていて利用できずで、お好みのパンを買ってから至近の公園を利用。ガイド役はどんなハプニングも臨機応変な機転・対応力が求められます。
肩が上がらない。Before→after 腕が耳まで挙がるように!
1日目は、河口湖を時計まわりに軽く走っただけ。メインは2日目の河口湖〜山中湖〜河口湖のルートでしたが、貸別荘に腰を落ち着き天気予報確認すれば2日目は朝10時ごろから雨! そこで急きょ、翌朝は降るまでの2時間ほどで<ヒルクライム講座>実施にプラン変更。実はこのプラン変更は結果論としてすごく良かったと思う。
参加者の走りたい要望・レベルに添ってのシッティングとダンシング指導
輪’sスクールは都市部開催だから坂を上り降りする実技指導がやりにくい環境。なので、交通量の少ない道路でプロライダーであられる古田潤選手、そして輪’sスタッフであり東京都自転車競技連盟強化部に属する理学療法士でもあるチューソンと、説得力あるヒルクライム指導ができる素晴らしい2人の指導者を迎えて実現できたのは幸いだった。
ゲストライダーの古田選手は高校時代からインターハイや国体で活躍したオールランダーだが、落車や故障を克服してプロライダー復活した貴重な体験を積んでいる、その人が、「腹筋の使い方や、体幹を使って乗るためにハンドル荷重にならない走り方を宮澤崇史さんに徹底的に教わりました。ハンドルに添えるのは指2本だけとか……」と、輪’sの参加者にマンツーマンで並走しながら個別具体的指導を惜しみなくしてくれた。理学療法士チューソンは並走指導だけでなく各自が抱える身体の痛さ・動きに関する悩みを聞いて、個別具体的指導をしてくれた。なんと密度の濃いこと!!
「あ、ラクに走れた。あ、この走り方いける。そう思えた気づきを覚えて積み重ねることが大事」とは、ライド指導の最後にチューソンが語った名言。忘れないようにしよう。