Site Loader

命からがら緊急避難した御宿漁港。翌21日朝も風が強く小波の大きいものが打ち寄せ波頭が砕けはじめている。月の砂漠ビーチにはサーファーたちの姿がちらほら。

午後には風力も上がり、複雑な波が立つと定評ある野島崎沖も待ち受けているのでもう一泊、御宿港に留まることに決めて散歩へ。昨日の過酷な中腰操船で足腰に負担が残り筋肉痛がひどい。夜は星がきれいだった。

22日、御宿漁港〜東京・夢の島マリーナ(曇り・小雨・晴れ)

出港6:20。沖出しして磁針方位235度で野島崎灯台沖を目指す。追い波。20ノットだと波をかぶるので15ノットで走る。

08:00、野島崎灯台を右に通過。追い波で速度は10ノットを割るくらいに落ちるかと思うとサーフィングで加速し20ノットを超える。岬に近づくと波は屈折して回り込むので、期待した場所がシェルターになってくれない。波の落差や間隔がよく見えるのでスロットルとハンドリングで対処する。晴れてはいるが背後に黒い雲も迫っている。

08:30、洲崎灯台を右に見て東京湾に回り込む。波が収まってきたのでオートパイロットを使えるようになる。安堵。野島崎から洲崎に至る30分ほどの行程は緊張した。このまま横浜まで行こうかとオーナーと相談したが燃料の残りが微妙なので無理をしないことにする。

09:45 鋸南町保田漁港ばんや桟橋に着岸。

新型コロナウィルス騒動で桟橋には誰もいない。給油目盛りは残り2つで約100リットルの状態、ガソリンスタンドから出張給油をしてもらい満タンにする。

10:50 保田漁港を出る。

久里浜〜浜金谷フェリー航路を横切る。この海域は昔のマイホームエリア。もう安心。

以前に読んだ雑誌記事を思い起こす。イギリスのモーターボーティングの神様と称せられるダグ・パイク氏のHeavy Weather Handlingによれば軽量でレスポンスのいいスポーツクルーザーの荒れた海面における操船は、「スローダウンすることは必ずしも快適な走航のための正しい解決法ではない。スロットルを開き、ボートのトリムを適度にすれば、ボートは波に乗って走れるだろう。波の側面に回り込むより波頭から波頭へと走る航走法は、勇気とデリケートなスロットルワークとボートのトリムを適切にするスキルを必要とする。その結果は、失神するような怖さでなく爽快な乗り心地をもたらす」と言っていた。納得。

でも今回は、初日の大きい向かい波が怖かった。スロットルを戻して船首が波に突っ込まないように減速すれば衝撃を最小限にできるはず。波の頂点でプロペラが空転すると推進機構にダメージを受けるのでスロットルを戻すことは大事だ。ただし、滑走型艇では向かい波の先端でスロットルをほんの少しオンにしてバウを持ち上げる。これが上手くできなかった。

ま、無事に東京湾に入れたので良しとしよう。12:45、東京湾横断道路の風の塔まで2マイル。13ノット3500回転で快走。小雨。

13:30 東京湾西航路。晴れて青空、日差しがありがたい。お台場のオリンピック施設を垣間見て、レインボーブリッジをくぐる。豊洲、隅田川にまわり三分咲きの桜を愛でる。凱旋おまけ航海だ。15:00 東京・夢の島マリーナに着岸。経験値が上がりました。

写真上:夢の島に着岸できて緊張の糸が緩む。疲れた〜  写真下左:御宿漁港の夜(バックグランド曲=what a wonderful world) 写真下右:野島崎へ向かう船尾の暗雲

 

 

Post Author: coppi