
都心でのロードレース観戦、ウキウキ楽しいものです。
だが、2月16日(日)のJBCF『サイクルチャレンジ神宮外苑 第1回 東京クリテリウム』(以下、東京クリテ)において、やるせない事故があった。
JBCFが主催する年間シリーズ戦の開幕を飾るイベントとして東京クリテには、国内トッププロチームによる「Jプロツアー特別戦」や、「Jエリートツアー」、女子「Jフェミニンツアー」、ベテランの「Jマスターズツアー」の各シリーズ第1戦が併催されたほか、ホビーレーサーも走れる「一般の部」が設けられ、それなりに応援・観戦のファンも集まった。
午後、ジャパン・プロ・ツアーのレーススタート前挨拶にJBCF理事長であり、根っからの関西人気質の安原昌弘氏が、「なんか前の方に見たことないやつ並んでいるけど大丈夫かお前ら?コケんなよ、わかってるな?」と発言。その後で「雑魚ども道開けろ」の言い方も。coppiはその趣旨が、<落車するなの注意喚起>や、<有力選手の紹介>であったと善意に受け止められるが、JBCFの中継映像が切り取られてSNSで炎上した。
画像©️ JBCF公式YouTube
安原氏の注意喚起、午前にもいろいろあったのです。09:15スタートのE3クラス1組目で2周目に落車事故発生。そのレースを第一コーナー外側で観戦していた女性が、曲がりきれずにバランスを崩した選手にフェンスごとなぎ倒された。
JBCFの中継映像により落車の客観的な経緯がわかる。
ほかにも4周目にも落車があり、白いジャージ選手が、第一コーナーに入る横断歩道上で何らかの理由で単独落車、それを後続選手たちが左右に避けた。
白ジャージ選手はすぐに立ち上がりレース復帰する(受け身で上手に転んでいた)。避けた選手たちでアウト側に逃げた2選手はフェンスを倒して復帰に時間を少し浪費。中継映像で観察する限りでは、集団通過してすぐに至近の立哨役員が二次被害に遭わないように事故現場に駆けつけている。また、次周では倒れたフェンスが直っている。レース進行に滞りなしでスムーズ。しかし、この日は落車が多発。
それにしてもフェンスの下敷きになった女性Aがその後に受けた救護所での対応は許し難い。
女性はcoppiの知人で、付き添いで救護所に同行した別の女性Bから詳細報告を受けてこの記事を書いている。
画面左端に倒れた女性 画像©️ YouTubeレース動画いゆチャリより引用
経緯を記す。
フェンスをなぎ倒した選手の身体かヘルメットがAの顔面にヒット。一緒に歩道に倒れ込んだ。
「大丈夫ですか?! 」近くにいた女性立哨員が声をかけてくれた。Aは咄嗟に「大丈夫です」と応じた。10:11に離れて観戦中のBに、Aは携帯電話で貰い事故を連絡し、2人が合流できたのが10:16。
Bは無線機を持つ立哨員をつかまえて申し出た。「救護を受けたい。今は軽く見えるが、左目の辺りを受傷している。後で保険の対応もしてもらうかもしれないので、状況を確認して」と無線発報を促した。
「いま、人が来ますのでお待ちください」と無線機の立哨から返答。だが、E3クラス2組目レースが始まってもなかなか人が来ないので、「早く患部を冷やしたいのでこちらから救護所に」と言って10:30ごろに移動を開始。すると向こうから事務局男性Cが歩いてきた。Bが言うには「Cからはケガの状況確認なく、気遣うことがなく、謝罪もなかった」。
ファイナルラップでも落車発生 画像©️ JBCF公式YouTube
そして救護所にて。
白衣の男性が開口一番Aに、「まず書類に記入して」と言ったので、「先に冷やすものをもらえませんか? 受傷からだいぶ時間が経過しているので早く冷やしたい」とBが返すも、「書類を書いてもらわないと何もできない」と取り合ってくれなかった。
その後、氷入りの氷嚢を受け取る。Aの左目辺りは腫れた。夕刻になり事務局の対応に不安を覚えたBは、Aの青アザ状に腫れた証拠を運営事務局女性に撮影してもらった。「申し訳ない」の言質は得た。それにしても被害者対応、これでは拙い。
この記事を書いたのは、レースイベントに関わる人たちに、他山の石として学んでほしいから。楽しいレース観戦が、一瞬の貰い事故で、痛い思い出になってしまった。
JBCFのレース運営改善を期待したい。