房総で使う自転車はすべて、旧車ばかりです。
安房の隠れ家で、中華製の格安物置を組み立てました。軽量鉄骨にペラペラの壁と屋根ですが、高さ195、幅191、奥行111cmで約4万円。友人の協力を得て2日かけて完成。2台の自転車を収納するのが目的。サイズが小さいので天井から吊るします。
隠れ家は海から離れていて松の防風林はあるものの、嵐がくると風がすごい。とくに数年前から豪風雨の頻度が高くなった気がします。だから物置もコンクリートをしっかり流してアンカーも打ちました。
そういえば先日、南房総を舞台にした小説、『海が見える家』(小学館文庫・はらだみずき著)を読んだら、嵐で家々の屋根が飛びブルーシートで応急修理するエピソードや、サーファーの主人公が自然農法で野菜作りをするところも共感できておもしろかった。
古いものを捨てずにとことん利用する。そこにも惹かれた。僕の自転車に対する姿勢と似ている。そう、自分の使いやすい道具は、世の流れから距離が離れても気にしない。自分の価値観でスタイルを変えないのは、自立した大人なら当然だ。
富津の隠れ家には26インチホイールのMTBと、ゼファーのスポルティーフ。南房総の掘っ建て小屋にはモンキー製MTBを置くことに決めた。MTBはいずれもハードテールだけれど房総の山はこれで必要十分です。
齢を重ねてのサイクリングで、昔は嫌いじゃなかった高ケイデンスの走りや、ロングライドは難しくなった。機材スポーツの最前線で使われるハードウエアは知的興味にとどめ、身の丈に応じた、場所に適した自転車の遊び方がいい。健康で生きていられることが大前提。サイクルスポーツは生きている喜びであり、最良の気分転換。そこで大事なのは、自分が愛せる自転車でないと幸せじゃない。