日本昔話といこう。 1870年(明治3)8月に大阪府で、「自転車が通行人を妨害することが少なくないので、道路上で運転することを禁止する」が自転車取り締まり規制(府令)の先駆けじゃった。(大阪府警察史第1巻/大阪府警察本部/1970)
時は流れて2024年5月17日、参院本会議で自転車の違反行為に反則金の納付を定めた『改正道路交通法』が可決された。その法律は新聞や電波媒体で広く報道され公布から2年後には実効的に運用されるとの由。
取り締まる警察はこれまでも、自転車原因の事故増加を捉えて何度も何度も取り締まりを強化すると表明。 交通標語でアピールし、活字・電波・web媒体を使って広報をするのがセオリー。 直近キャンペーンは、2023年(令和5)年11月に施行された“自転車安全五則”で、 1)車道が原則、左側通行。歩道は例外、歩行者優先。 2)交差点では信号と一時停止を守って、安全確認。 3)夜間はライトを点灯。 4)飲酒運転は禁止。 5)ヘルメットを着用。 加えて自転車運転中にスマホ画面を見たり、操作したりの “ながらスマホ”も事故に結びつくと言っておる。
重大事故になったときは “赤切符”が交付されて刑事罰の対象。軽微な危険運転(信号無視、一時不停止など)は自転車指導警告カードで取り締まるとした。ほお、警告カード? 身の回りでは見聞したことがない。
画像は「NHK web」より引用
そう言えば都市部でピストの暴走が社会問題化していた21世紀初頭。フリーホイール式ギヤでない固定ギヤのピスト自転車が若者に流行して、交差点をスキッド(後輪をロックして滑りながら)で曲がるのがピスト乗りの自慢じゃった。ピスト文化を中心に編まれた「LOOP Magazine」(創刊2009〜2020年)という雑誌もあった。2011年にはノーブレーキ撲滅キャンペーンで芸人が道路交通法違反で摘発され赤切符を切られたことが新聞やwebニュースをにぎわしたっけ。
画像は「LOOP Magazine」記事
今回、2024年5月可決の『改正道路交通法』では、<信号無視やながらスマホなど113の行為を行なった16歳以上の自転車運転者に対して反則金を伴う青切符を課す>ところがポイントじゃ。反則金額は政令でこれから決められ、5000円から1万2000円程度になるらしい。2年後に取り締まりスタートするころ、一時停止不履行などを交通頻繁な交差点でやってしまわないようにな。 暮れどきのライト点灯忘れなんかも要注意。
それにしても、インフレがますます進みそうな昨今、青切符バンバン切られたらどうなるん。子ども乗せた電動ママチャリ、歩道を徐行すればフラつくし、車道を走ればドライバーがヒヤヒヤかも。お気を付けくだされ。