11月23日に故・鳥山新一さんを偲ぶ有志で、調布の深大寺に集まりました。
鳥山さんは軽車両調査と映像制作をする鳥山研究所を設立し、戦後発展したスポーツサイクル業界と消費者となる人たちに多大なる影響を与えました。
熱心な鳥山新一ファンであるSさんがJCC(日本サイクリングクラブ)により昭和30~35年に発行された小冊子をご持参されました。タイトルを読むだけでも興味深い。
小冊子のうちの見開きページ、オシロスコープによる赤色リフレクター性能分析方法を書いている。ここだけを見ても、鳥山さんの科学的探究には驚かされます。
小冊子のタイトルだけご紹介。
『サイクリング車の設計』(昭和30年9月)
『軽合金の自転車への利用』(昭和30年10月)
『自転車部品の展望』(昭和31年3月~昭和35年10月)
『サイクリング用車の技術コンクール』(昭和32年10月)
『自転車部品の展望』(昭和32年11月)
『NERVEXの紹介』(昭和32年12月)
『フランス自転車規格 B.N.A 1957年』(昭和33年2月)
『自転車用赤色リフレクターの機能と性能試験法』(昭和34年5月)
『前ホークの強度』(昭和34年10月)
Sさんは東叡車で誂えたスペシャルで参加されましたがそのスケルトンはBB下り以外は鳥山新一さんが小冊子に発表された数値です。ちょっと試乗させていただき走りやすさに納得。
ところで偲ぶ会の参加者は、左フォークに黒のテープかリボンを巻くのが目印。英国風のマナーだと小池一介さんに教えていただきました。手前のは東叡車のチーフビルダーYさんのもの。
ブリヂストンから発売された鳥山新一デザインのフロントバッグで参加された人は、鳥山新一さん監修のサイクリングマップも見せてくれました。
ちなみに偲ぶ会の終了後、カンパニョーロ好きな別のSさんコレクションを見せていただくことができました。このダブルレバーはバンドの形状が独特なので70万円の値がついたとか。
こうして私たちが今を楽しめる遊びの世界に導いてくれた水先案内人が鳥山新一さんでした。
11月23日は深大寺の元三大師胎内仏「鬼大師」205年ぶりのご開帳でものすごい人混み。蕎麦屋はどこも長蛇の列。有志の皆さんとは列を作り野川沿いを短いランで水車のある場所でミーティング。日溜りでのおだやかなひとときを過ごせました。末筆になりますが急な呼びかけにご参加いただいた皆さん、呼びかけに応じて走ってくれたUさん、Aさんに感謝いたします。