Site Loader

古き佳き時代の自転車競技、そのスタイルを愛する人たちのつどい、“エロイカ”。

エロイカ・ジャパンは第10回を迎え、ビンテージ自転車コンクール審査を今回も愉しく行わせていただいた。昨年から「Bike Beauty Contest -Concorso d’Eleganza」と英語とイタリア語表記になっている。

走ることはもちろんだが、祭典としての“エロイカ”好きな人たちは自転車に対する興味・愛着はとても強くて大きいと思う。だからこそマニア同士の愛車自慢でなく、格式あるコンクールで競われるベストな一台は輝いて見える。

今年の審査は6人で、基本的に世界標準のガイドラインに則り実施した。50点満点で5項目の「見た目」、「フレームの造り」、「塗装とマーク」、「構成部品の時代考証」、「歴史検証」が各10点より0.5点単位で審査員たちは減点する。オーナー立ち会いの下で1台3分の審査時間内でチェックし、審査員協議のうえ結論を出す。

5つの年代別カテゴリーで選別されたベスト車両のなかで、THE BEST OF THE BESTに選定したのは渡辺裕氏のORTELLでした。ORTELLはクラス2のベスト。

そのライバルは市村義久氏のマジー・ストラディバリでした。マジーはクラス3のベスト。ORTELLとマジー、両車の差異は前車がオリジナル性の高さ、後者がマニア愛溢れる創造性。市村氏は1980年代あたりの伝統的軽量ロードレーサーをオーダーメイドするにあたり、ワニ革でサドル表皮を覆い、バーテープ、ストラップ、予備タイヤバッグまでワニ革づくしで誂えた。

物語性があって完璧な上野修一氏のルネエルス。ルネエルスはクラス4のベスト。フランス趣味のマニアだけでなく、シクリスムを愛する人には珠玉のブランドです。

クラス1のベストは、MARC FELLMAN氏のチネリ・モデルB。「いい歳の取り方」をしたオリジナル塗装のビンテージです。

クラス5のベストは長裕氏の自作ペニーファージング。金属加工のスペシャリストである長氏はスポークやバブも自作で、この4台目となるフレームはチタンで作った。写真はjapan vintage ride2024走行での一幕、前後ブレーキ付きで公道走行も合法です。

写真⚫︎Japan vintage ride

コンクール審査は、エロイカの基準に照らしての公平・誠実がモットー。審査員全員が熱い自転車愛を抱いて見解をぶつけ、ビンテージ自転車に拘泥する超マニアの皆さまと対峙する。

平和で素敵なコンクールが10回も実現できたことに感謝します。

Post Author: coppi