自転車専門誌の製品写真は、基本的に作法に則って撮影されています。マニアのみなさん、気づいていましたか?
解説します。2カットは60年代の名車たち。白いフレームに赤の銅抜きは日本の片倉・シルク号。黄色っぽいのはイタリアのレニヤーノ。
バランスよい組み立てがまず大事。
どちらも60年代的な組み立てセンスです。ブレーキレバーが上気味なので若い人にはダサいと思われるかな。でもこれが正解。70年代にはもっと下に取り付けるのが正解ですけどね。 サドルの高さも、昔の選手たちはそう高くなかった。レニヤーノみたいな高さは1903年にツールを走ったモーリス・ガランでも、1960年代を象徴するジーノ・バルタリたちもこんなもの。片倉シルク号のサドル高は日本人選手向けとするならやっぱりこんなもの。
組み立てるときのサドルとハンドルの位置関係は、時代により黄金律が異なります。それを意識しないといけない。
クランク位置は、日本だとクランクをシートチューブの延長線上にします。イタリアだとクランクは水平か、またはチェーンステーに沿わせます。
余談ですがロードレーサーは変速機のある右側を表として撮影しますが、サスペンション付きのMTBはリヤサスペンションの構造がよく見える裏側で撮影する。
ロードレーサーのチェーンは必ずアウターギヤとトップギヤにかかっている。これは鉄則です。
もう一点、タイヤのバルブ位置も気をつけたいポイント。日本式はバルブが下であり、イタリア式はそんなの気にしていません!
2カットはスタジオ撮影で背景が白バックですスッキリ見せています。あなたも屋外で愛車をスッキリ撮影したいときは、背景を空に抜いたり白壁にして、信頼できる人に自転車を支える手を一瞬パッと離して引っ込めてもらいましょう。シャッターチャンス!
風のない日なら自転車が地球に対してまっすぐ立たせてあればシャッターを押すくらいは正立しているものです。やってみてください。責任は持ちませんが。