小糸川の遡上サイクリングで見つけた温泉に、訪問3回目でやっと入浴できた。

ネットの過去記事には<のどかな田園地帯にある、一軒宿の「小糸川温泉」>(TV朝日『秘湯ロマン』2020年9月27日放送)とある。しかし現在は、土日だけの営業。
場所は、君津市日渡根。鹿野山の裏側にあたる。
僕は富津岬から、郡湖(ダム湖)を経由して、県道164号線をたどり、房総スカイラインを経由して向かった。なんと、164号線はまるで林道並みにダートがあり、枝道に入ると行き止まりで、それがおもしろかった。

前述の秘湯ロマンによれば、<茶色のお水が出るって言うことで、掘ってみると、470mぐらいのところにこの濃いお水がある地層があった>という。源泉の温度は25度C程度だそうだが、入浴すると熱かった。
営業開始の10時に、入湯料1000円、おまかせランチ代700円を受付で支払う。
この日のメニューはマーボー豆腐で、休憩室に11時30分から13時の指定時間帯に頼めば運んでもらえる。
玄関を入ると、中庭を挟んで休憩室と男女別の温泉がある。
「今日は熱めなんでさっき、水を入れてかきまわした」と常連客が説明してくれたので、掛け湯をしてからゆっくり黒湯に身を沈めた。
「崩れちゃったね、小糸川のまわりはうっそうと樹が茂っていたのになぁ。この湯では、冬でもずうっと窓は全開なのさ」と常連客。

一度目の入浴後にいったん外に出て、小糸川河段上部から温泉施設の西側を撮影。台風25号のように長時間の降水が引き金になり、砂と泥の地層ゆえにここまで崩れたのだろう。これは恐ろしい。
©️Googleマップ


玄関の横に、源泉を引いた小さな池がある。
以前に読んだ本には、黒いのは太古の海草の成分であると説明されていた。
さて、二度目の入浴、冷えた身体に熱さがピリピリ感じる。湯のなかで手をまわす。ピリピリ感が和らいだ。お湯はヌルヌルとやわらかい。舐めてみたが、無味無臭で塩辛さはない。
開け放たれた窓外に青い空、トンボが飛んでいた。

予約時間になりランチを食べる。「うちで採れた新米です」との白米はツヤツヤでふっくら炊けていた。付け合わせの漬物は自家製らしく、素材の良さを実感、向付の煮物もおいしかった。米、味噌汁の和食でそれが美味ゆえに、主菜のマーボー豆腐は邪魔(でも完食)。
源泉掛け流し黒湯の泉質は、ナトリウム-塩化物、炭酸水素泉。経験的適応症は、創傷、火傷、婦人病、神経痛、冷え性など。
ランチの膳を調理室のご主人に戻すとき、漬物をほめたら、帰るときに姿を現して「またどうぞ」声をかけてくれた。

素朴で、清潔で、気持ちいい温泉施設の小糸川温泉。
きっとまた、立ち寄ることになる。