オリンピックとパラリンピックはご存知? じゃあ「デフリンピック」(Deaflympics)は?
先日、日本学生自転車競技連盟のシンポジウムでパネラーが質問し、なんとレース経験豊富な重鎮のみなさまほとんど、「知らなかった」の回答。デフ(耳が聞こえない)選手への配慮、あなたにもぜひ知って欲しい。
デフリンピックとは、聴覚不自由者の国際的スポーツイベントです。国際ろう者スポーツ委員会(ICSD)が主催し、4年毎に開催。これがなんと、来年に100周年記念大会として東京開催される!
一般財団法人全日本ろうあ連盟スポーツ委員会によれば、—デフリンピックは夏季大会が1924年にフランスで、冬季大会は1949年にオーストリアで初開催—とのこと。自転車競技はロードレースとMTBがある。東京大会は21競技で70〜80カ国の参加が予定され、自転車競技は静岡開催になるはずだ。
参加資格は、補聴器や人工内耳の体外パーツ等(以下「補聴器等」)をはずした裸耳状態で、聴力損失が55デシベルを超えている者で、ろう者スポーツ協会に登録している者。競技では練習中も試合本番でも常に、補聴器等の装用は禁止。
UCIレースでは今後、スタート合図をシグナルにするそうだ。これは耳が聞こえない人にも平等に情報伝達する施策だ。「私たちは見ても障害が分からない」と、自身がMTBとロード選手である早瀬久美さんが手話通訳を介して教えてくれた。シンポジウムで早瀬さんが見せてくれたメッセージを画像で紹介。
I LOVE YOU
デフジャパンチーム背中のマーク、意味は“I LOVE YOU”です。手話の「I」「L」「Y」の3文字。レースで混走状態になりこの背中が見えたらデフアスリート。
赤色が、デフジャパン創設から伝統の色。この色とマークで識別してほしい。
共生
耳が不自由な人は、「私たちは見ても障害が分からない」わけで、例えば東日本大震災で津波に襲われたとき、災害警報が鳴ってもアナウンスがあっても、聴覚障がい者は気づけないことがある。気づけなくて「逃げなかった」故に亡くなった人がいた。反面、近所に住む人が教えてくれたので「逃げられた」ので生き残れた人もいた。社会的にろうあ者と健常者が共生するには、近くに聞こえない人がいることを知り、気づき、コミュニケーションし、それを継続。それが共生。
coppiは以前から審判員としてデフ選手と接触がある。赤いデフジャパンチームの選手が参加するイベントには常に小さなホワイトボードを持参し、文字でコミュニケーションを図ってきた。レース直前の召集時間を健常者には音声アナウンスで事足りるが、デフ選手には本人を探して文字や身振りでアナウンスすることになる。周回遅れでレース場外するときに健常者にはホイッスルや声でその旨を告げればいいが、デフ選手には赤旗を振りながら指差しでアピールする“可視化”の配慮が必要だ。
手話
レース観戦のとき、ふたつの手話を覚えておけば応援ができる。「がんばって!」と「おめでとう!」=イラスト参照。
ただし、早瀬さんは「選手が見える低い位置で手話アクション」することが肝心と、自らしゃがんで手話応援を実演してくれた。なるほど!!
そして来年のデフリンピックは会場では、しゃがんで手話で応援しませんか!!