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「マウンテンバイカーズ白書」

2021年8月5日発行

MTBの利用実態が見事に網羅された1冊だ。雑誌ではない。

プロダクツやブランドの紹介は一切なく、第1章ではMTBを楽しんでいる人たちや組織の活動を全国的に大掲載。第2章は歴史的な視点、第3章は社会性の強い視点、第4章は野外フィールド運営のノウハウ。144ページの中身は“白書”のタイトルがぴったりで詰まりに詰まっている。

里山の道は生活道路であり私有地であることも多く、ほとんどの山は県立公園や国立公園でありハイキングや登山での利用はできるものの、個人の遊びで軽車両=マウンテンバイクで走る利用の仕方は玉虫色。MTBが日本に入ってきた1980年代から林業関係者や登山者などとMTB利用者には軋轢が起こりトラブルとなれば行政から<MTB侵入禁止>の措置を繰り出されてきた。

それにもめげずMTB愛好者たちはアメリカのIMBA(International Mountain Bicycling Association)という団体が行政にロビー活動する傍ら環境保護団体と連携してMTBで走るトレイルのパトロール活動をする手法に倣った。それはハイカーや乗馬を楽しむトレイル利用者との共存や、トレイルの整備も含む。

「マウンテンバイカーズ白書」(監修:平野悠一郎)~持続的な生涯スポーツとしてのMTB~は辰巳出版から定価3.080円でこの夏に発売された。一般書店では入手が難しいようだ。

白書には正義感や使命感に厚いMTB大好きな人たちの顔がずらり。まるでMTB文化人紳士録だ!

Post Author: coppi