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前回のエピソードは上の島根半島の旅。1966年「旅とサイクリスト」10月号のグラビアです。組写真で雰囲気をよく伝えています。

前々回のライカ判では、サイクリストの服装がニッカーホース、ツーリングタイプの革靴といういでたちでしたが、こちらは白いシャツに短パン、ハイソックス、ベレーハンチングというスタイル。当時はこれぞ正統派といえるファッションです。趣味世界の主流という観点。

1960年代の自転車乗りはハイソックスが定番でした。ここでお洒落センスを発揮していました。ズボンはコットンで生成りや白が基本。シックに決めるなら紺かカーキ色。革靴はラットトラップペダルのギザギザが噛み込まずに踏力を都合よく伝えられる硬い靴底で決まり。雨具やヤッケは安全性が高い黄色系が定番の色でした。

しかし、個性をより演出したいならパーツの工夫も手。バーテープの色をフレームカラーと関連付ける。フレームポンプにトリコロールのアクセント、トゥストラップの端に付けるエンドストッパーの色もですがストラップをペダルに巻いてセットする。そうした配慮でだんだんと深みにハマってゆきました。

数年前からロードバイクのファッションでは、ソックスの丈が長くなりました。ハイソックス化です。歴史は繰り返す。レースなので服装規定がありソックス丈の長すぎは禁止(uci CLARIFICATION GUIDE OF THE TECHNICAL REGULATION 1.3.033)ですが、若い子は有名選手の真似をしたがる。

主流があるから亜流がある。決まりごとがあるから崩しが光る。自転車趣味のこだわり方って、20世紀から21世紀になっても同じです。古い写真で読む時代のファッションでした。

新型コロナウィルスが猛威を振るう現状で外出を控える日々ですが、好きなファッションで愉快に自然のなかを走れる平穏が早く戻ってきてほしいですね。

Post Author: coppi