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伝統的でワクワクする儀式でした。

よい日和に恵まれて、富津岬にある浄土宗・大乗寺で上棟式が執り行われたのです。

善男善女が参道に集まりました。小さな子どもは前列で、法要(仏事)がすむのを屋外で待つ。改築された本堂の棟上げ式、ホント、にぎにぎしい!

 

 

儀式の数日前から、お堂の最上部である棟に弊串(へいくし)が飾られた。左右の弓は魔除け

大乗寺は浄土宗のお寺ですが、棟上げ式は建築をする宮大工たちが行う神事。 “工匠の儀”が始まりです。

工匠の儀は、宮大工が精魂込めてつくる本堂が末長く安泰であるように、古式に則り執り行われる上棟の儀式。まずは<三器奉酋(さんきほうしゅう)の儀>が御堂内で行われる。これは墨差(すみさし)、曲尺(かねじゃく)、釿(ちょうな)の三つの道具で仏前に水の字を作り供え、工事の安全を祈願するものだ。

紅白餅・海のもの・山のもの・酒・米・水が神様に捧げられた

そして屋外に出て、<博士杭(はかせぐい)打ちの儀>、<丈量(じょうりょう)の儀>、<引き綱の儀>、<槌打ちの儀>、<四方固めの儀>の順で進行する。

 

博士杭とは、建築の基準となる杭。

丈量とは、工匠が十分に気を遣い造営するが、誤りがないかを再確認する儀式。

引き綱の儀は、参集した人々みんなで紅白綱を手にして棟木を棟まで曳揚げる真似をする。その際、検知(けんち)の合図で引き綱を握ったままで、「エイ、エイ、エイーッ」と協力して掛け声をだす。

槌打ちの儀は、無事に揚がった棟木が千年も万年も堅固にあるよう願いを込めて、振弊ぶりへい役の検地=リーダーによる祈願に合わせて職方が杭を打つ儀式。3回行われ1回目が「千代に八千代に栄ゆべし、千才棟」(千年続くように)、2回目が「よろずにやお、よろずよに栄ゆべし、万才棟」(万年続くように)、3回目が「あまつちと共にいやさやかに栄ゆべし、永永棟」(永久に栄えるように)と唱えられた。

四方固めの儀は、生命を維持する食べ物の象徴であるお餅を本堂の四隅から投げて、諸天善神が大乗寺を永久にお守りくださるように祈願する儀式。

 

さあ、いよいよ “撒餅(まきもち)”です。お堂の庇(ひさし)あたりに設えたステージから、ご住職や檀家の役員たちが、袋につめた紅白の餅(小銭を含む)、袋菓子が四方八方にそれは見事に投げられます。子どもたちは大興奮!!

綿々と伝統行事が行われる房総半島。せわしない都会からクルマで1時間ほどなのに、とっても癒されます。

Post Author: coppi