1925年創刊と歴史ある月刊雑誌「ふらんす」(952円+税)は、フランス語学習者とフランス文化圏に興味ある人に向けて白水社から綿々と刊行。2021年4月号から、パリ在住の自転車歴史研究家である小林恵三さんが連載記事を始められたのです。
標題は<失われた自転車史を求めて>で第1回は<自転車の祖先はセレリフェール?>と疑問符が付く! 自転車史の研究を志して1974年に渡仏した小林さんと同じく、当時は僕もド・シブラック伯爵の二輪木馬が自転車の始祖と信じ込んでいた。ところが、真実じゃなかった。
1990年4月、入念・緻密に史料をあたり論文「ヴェロシペードの歴史、トライスからミショーまで、1817〜1870、神話と事実」を小林さんは書き上げられた。それは1993年に東京・目黒の自転車文化センターの協力で出版された。
それでもなお、神話はなかなか崩れない。先入観として定着すると人々はなかなか新しい発見・事実を受け入れられないものですから。歴史の真実、ぜひぜひ、ご一読下さい。
小林さんの新連載、最初から面白い。第2回は<ドライジーネ>が俎上に上がる。第1回はプルースト風に洒落た話だった。次回は如何にか期待が高まる!!