Site Loader

「自轉車」

明治33年8月〜

(確認:真船高年氏蔵書)

日本最古の雑誌が「自轉車」(快進社)とは知っていたが今年(2023年)にやっと確認できた。明治34年創刊の「輪友」より1年前に福島県出身の佐藤喜四郎氏により出版された。第三種郵便物認可で毎月5日発売。第25号を自転車史研究家である真船高年氏に蔵書を見せていただいた。

コラムで脇屋三郎氏が当時の自転車登録台数を、「一昨年の夏は都下に数が僅かに二千六百五十余両であったが、足掛け3年の本年の夏は数実に一万一千余両であるそうな」と記している。「輪友」よりも「自轉車」は自転車競争に関する話題が多い。

目次には<雑録、雑報、問答、倶楽部彙報>と要素がある。第24号では記事に、「梅津大尉自轉車談」(佐藤半山)を掲載。梅津大尉とは、陸軍戸山学校の武技体操教官で銃剣術の腕前自慢だった梅津元晴大尉で、自転車利用が戦さに役立つと考えた人物。陸軍自転車部隊の設立に注力するとともに国産自転車製造を志し、日本初の工業型自転車<宮田製作所の旭号>の技術指導をした。

 

第25号の表紙イラストは軍用自転車である。日露戦争における梅津大尉の武勇伝(敵弾のために下架を撃ち抜かれたが持ち帰った)は話題であったようだ。

Post Author: coppi