Site Loader

デジタル時代の21世、前史にパソコン通信のニフティーや「2チャンネル」という小社会のコミュニケーションがあったものの、2008年にFacebookの日本版公開で一気に写真の概念が変質。スマホで撮影した画像は趣向が共通な「友達」のあいだで瞬時に動画でさえ世界中で共有される。写真や動画はタグ付けによって拡散され、「いいね」の手応えがある。

スマホでは“インスタ映え”効果をデジタル変換できるアプリもある。そんな時代のサイクリング写真とは? サイクリング写真集団を70年代に立ち上げた原明吉さんは、「結局は自転車旅行の流れをしっかり表現できている」ことが肝心だという。

1カットの写真は、それ一枚で訴求できる魅力。何カットかの組み写真ではテーマに添ったメインカットを補完するサブカットでの構成力。いずれにしても写真作品としては絵画的技法の素養も要求される。デジタル媒体では基本的に一過性のいいねだが、アナログ媒体では何度も読み返される。

原さんがこだわった雑誌掲載。投稿する際は多めに作品を送って「その時の紙幅に合わせて写真を編集さんに選んでもらった」そうだ。古き佳きアナログ写真時代に、ニューサイクリング編集部の山本秀男さんや今井彬彦編集長の薫陶を受けてサイクリング写真に情熱を捧げた原さんは今でも使い込んだ愛機ニコンFMを手に、「まだまだ撮りますよ」と意欲満々だ。

Post Author: coppi