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ラジオ深夜便、インタビューアンコール2019年6月25日『古楽器の音色に魅せられて:川口成彦』を聴取し、その音色には自転車の変速機にも通底する感覚があると思った。

フォルテピアノ(古楽器)は、ハイドンやモーツアルト時代のピアノ。古楽器で演奏することで、ラフマニエノフのような現代の鍵盤楽器ピアノではなくて、<鍵盤を介してハンマーが弦を叩く打楽器>であることを実感できる。これってフリクションがある昔のディレーラーの操作感!

画像引用:http://www.cembalo.com/instruments/fortepiano.htm

番組を聞いたところでは音符の強弱記号や速度記号や歌い方や演奏法を表すアーティキュレーション記号は、古楽器による演奏の印象では<会話における子音=おしゃべり>なんだという。演奏者と楽器の対話方法の記号がスラーなどであって<古楽器といかにおしゃべりするかを>記号が示しているそう。

ダブルレバーでシフトアップ、シフトダウンするときの手応え、ストローク量や重さ、そしてチェーンが次のスプロケットに移動するときの音など……、60年代から80年代の変速機には<鍵盤を介してハンマーが弦を叩く打楽器>のような味があり個性がありました。スプロケットの歯数差、トップノーマルかローノーマルか、ワイヤの取り回しなどにより違いがでるものの、触覚・聴覚で変速機の奏でる味わいを愉しめた。インデックス方式のディレーラーではそれがない。

ロードレーサーに取り付けたカンパニューロのレコードは、スパン! スパン! と小気味よくて筋肉連動興奮。ランドナーに取り付けたユーレーのアルビー(本来はレーシングディレーラーだそうですが)はガッシャン、グルルルッシャンと、レスポンスがのんびりでレバー操作する力は指の腹が痛いほど抵抗があった。

僕はサンプレックスのデルリン樹脂ボディの変速機が好きです。五感に訴えるいにしえの変速機、あなたのお気に入りは何ですか?

Post Author: coppi