画像©️テレビ朝日系(ANN)
鼻じらむニュースに直面。 それが12月5日朝にTVやネットで、<【速報】日本酒や焼酎などの「伝統的酒造り」ユネスコの無形文化遺産に登録決定>の報道。NHKニュース番組でコメンテーターが「地域に根ざした酒造りが評価された」と語った。
発酵酒は本来、作られる場所の気候に影響される。自作エールを20年以上も作ってきた筆者の経験から、“地域に根ざした”は、至極当然なので当ったり前じゃん、と鼻じらんだものの、イヤイヤ日本酒文化が世界的に評価されてユネスコ無形文化遺産になることは素直に慶びたい。
醸造酒の世界的代表格はワイン。テロワールが重視され、土壌の成分がブドウの風味に影響を与えることが知られている。日本酒でも、原料米の種類や水が風味に影響する。今朝のNHKテレビでは灘の酒造業者が「灘の清酒には宮水が使われている」と誇らしげに語った。
そう、水は大事だ。“宮水”とは、六甲山の花崗岩層を通って湧き出る伏流水で、軟水。江戸末期の1840年(天保11年)に発見されて灘の清酒組合はこの水源を環境保全するために自治体と共に宮水保存調査会をつくり活動をしている。
飲み屋で雛祭りのお通し、季節感!
それにしてもね、和食の次は日本酒なのですね、戦略的なニオイを感じます。でもまぁ。匂いは大事、とくにコメ臭〜い熱燗好きcoppiですが、フツーの人はフルーティーな吟醸酒や冷酒がお好きなようで、海外でも“ニホンシュ”は熱燗にはしないんじゃないですか。
熱燗・人肌燗が好きです! 冷酒は仕方なく呑むときもありますが、呑む状況が気分よければすべてよし!! 酒はいつ、誰と、どんなときに呑むかで、五感に伝達される味覚情報が変わる。
目の前に美しい風景あれば好し、愉快な時間あれば好し、感謝の念に満たされた状況ならさら好し。美味い、旨い、甘い、巧い……、美酒に酔うと、心にバイブレーションが加わります。
夕暮れ時、ワンカップ酒を500wで1分チンすると、ちょうどいい燗酒になる。夕日を肴に漫ろ歩く、出張先で散歩中、呑みたくなるとコンビニなどでカップ酒をチン。桜の季節に呑んだ「立山」はうまかった。
常温でも、燗にしてもおいしい酒がうれしい。
房総の「東魁原酒八犬伝」はお気に入りです。淡麗辛口と表示されているけれど、口に含めば米の旨みが鼻腔に抜けるような酒。これがいい。さらにコメっぽい風味は“旨口”と言うけれど、口に含んでベトベト甘すぎるのや、醸造アルコール臭があるのはいただけない。
福島の「花泉」、これもいい酒。友人から贈られてきたときに、純米吟醸とラベルにあったので、吟醸臭がキライなのでちょっと引いたけれど呑んだらとても旨い。魚の干物、林檎の薄切りを肴に呑んだ。素晴らしいマリアージュ。
本醸造、純米、生酛、吟醸など、製法の表示、精米度合とか、買うときに一応は目を通すけれど、いちばん大事なのは値段かも。ここ数年、日本酒に注力する店では、商品に説明書きするときに「ライトボディ」、「フルボディ」とかワインのような表現をする。「食中酒に」という表現もある。「食中酒」だって? バカ言うな、酒は何か喰いながら呑むのが基本だろ。
アルコール度が強い蒸留酒は、油脂分の強いツマミが合う。ウイスキー、スピリッツなどには塩っからいナッツ類が合う。でも、醸造酒の日本酒には、魚、煮物、酢の物など日本の料理が合うし、贅沢を言えばそういう場所で味わいたい。
これは信州の温泉宿でいつも出されるお膳。鯉こく、鯉のあらい、先日は松茸入りの茶碗蒸しも。こういった郷土食にはやはり地酒が合う。女将に「地酒の熱燗」と頼むだけ。銘柄なんて気にしない。美味しければすべて良し!!
何はともあれ、日本酒がユネスコ無形文化遺産との由、悪くないハナシです。