「FERRO Mari e Monti 2022」、青い空と光る海に祝福されました。
ビンテージ自転車のイベントとして定着した大会、フェロ。
フェロは鉄の自転車、マリは海、モンティは山。
イタリア人のマルコ・ファヴァロさんが立ち上げたイベントです。
鋸山美術館をスタート&フィニッシュとしてショート64.8km、ミドル99.7km、ロング119.3kmの3コースを設定。房総半島の素朴な自然景観を満喫し、大山千枚田の握り飯、サザエもなか、カフェの地産地消にんじんジュースやスイーツなどでエネルギー補給し、ゆったり一日を過ごせる趣向。
「どうしたら参加者がもっと喜んでくれるか考えています」とマルコは言う。
運動会のような万国旗、色とりどりの幟、オールディーなイラスト、盛り上げるアナウンス、バックミュージック、フリマ、‥‥。今年は3年ぶりに前夜祭を金谷港のthe Fishで実施、富津市長も駆けつけて乾杯。生バンドの演奏。
4部門の自転車コンテストも初開催し、受賞自転車は10月29日(土)〜30日(日)の2日間、鋸山美術館に展示されました。輪行車の先駆けとなる1975年製(多分)最初期型アルプス・クイックエースに審査員特別賞が与えられたのは日本文化への尊敬。
coppiは友人Sくんとペアで今年もサポートカーで最後尾から見守らせていただきました。S持参工具箱と彼の知恵で、大概の応急手当はできるのです。この日は駆動系まわりのトラブル2件。1つはリヤディレーラーのアウターが経年劣化で裂けての変速トラブル。オーナーの自己判断でアウターの裂けた部分を詰めて対応しようとされたのがアダに。結局はチェーンを詰めてインナーXロー固定にした。これで完走を果たされました。
もう1つは、リヤディレーラーのブラケット破断。ディレーラーがホイールに噛み込んでスポーク2本折損。ブレーキアーチを可能なだけ広げ、ホイールが振れながらでも回るように試みたものの、リタイアしていただくことに。
2つのトラブル、いずれもビンテージ自転車にあるある事例。
「最初の2時間が過ぎたから、もう出番はないだろうね」と、友人と予測したとおり夕方まで、我々も青い空と光る海をゆったり満喫。
暗くなりかけて、ミドルコースに挑戦した参加者がまだフィニッシュしません。探しにいくと目線より高い位置で点灯するヘッドライト発見! オーディナリーで参加のDさんは、つるべ落としの海岸道路を悠々黙々とペダリング。空にはきりり上弦の月。その逞しき後ろ姿、彼も自転車の神様に祝福されていました。