1903年から始まった「ツール・ド・フランス」。開始から10年ほどの総合優勝バイクブランドを改めてチェックしよう。1905年の第3回から6回目まで総合優勝に輝いた常勝ブランドはプジョーだ。
初期ツール・ド・フランスの総合優勝ブランド
開催年 総合優勝選手(国籍) スポンサー(自転車ブランド)
1903年 モーリス・ガラン(FRA) La Française (DIAMANT)
1904年 アンリ・コルネ(FRA) Cycles JC –Michelin またはConte(?)
1905年 ルイ・トゥルスリエ(FRA) Peugeot–Wolber(プジョー)
1906年 ルネ・ポッティエ(FRA) Peugeot–Wolber(プジョー)
1907年 リュシアン・プティ=ブルトン(FRA) Peugeot–Wolber(プジョー)
1908年 リュシアン・プティ=ブルトン(FRA) Peugeot–Wolber(プジョー)
1909年 フランソワ・ファーベール(LUX) Alcyon–Dunlop(アリシオン)
1910年 オクターヴ・ラピーズ(FRA) Alcyon–Dunlop(アリシオン)
1911年 ギュスターヴ・ガリグー(FRA) Alcyon–Dunlop(アリシオン)
1912年 オディーレ・デュフライエ(BEL) Alcyon–Dunlop(アリシオン)
1913年1914年フィリップ・ティス(BEL)Peugeot–Wolber, La Sportive(プジョー)
1810年にプジョー兄弟は先祖から受け継いだ製粉所を製鉄所にして以来、圧延鋼の生産がプジョーの活動の中心に。当時に作ったコーヒーミルは今でも骨董マニアに人気がある。
1886年になると直径1.36mの前輪と40cmの小さな後輪を持つペニー・ファーシング(だるま自転車)の大量生産を手がけ、1905年から1924年までサイクリングチーム「Peugeot–Wolber」により選手を走らせてブランドを宣伝した。1986年にプロレース界から撤退したが60〜70年代は市松模様の特徴的ジャージで多くの選手が活躍。まさにフランスを代表する自転車ブランドだ。
上写真は以前に紹介したT.Y.さんが日常の足に愛用している1910年代のシングルギヤ。ダイナモライト付き。オリジナルは700Aの太さ。下写真のチェーンホイールはプジューのシンボルである“吠えるライオン”だ。
80年代までツールを走ったレーシングプジョーは徹底して“フランスの”ブランドに拘った。イタリアのカンパニューロが席巻した時代にも、ストロングライトのクランクセット、マファックのブレーキ、サンプレックスの変速機セットが定番。徹底的なフランス愛である。
参考サイト
https://www.bicycling.com/tour-de-france/g22059401/tour-de-france-winners/?slide=10
https://en.wikipedia.org/wiki/Peugeot_(cycling_team)
photo©︎MASAYUKI rocky TSUYUKI&coppi