第一次サイクリングブームが起こり、日本の景気が上向いてゆく時代の1957年に東京・上野の横尾双輪館が刷った割賦販売カタログからの紹介、5月3日掲載の続編です。
大卒銀行員初任給が1万2700円のときにいずれも2〜3万円の価格帯。金利5%で10回払い。購入申し込みには本人と保証人の居住証明書が必要だった。ちなみに自転車は高額商品として自転車税を課せられていたが1958年に廃止されている。
日本のスポーツサイクルは発展途上。今でこそ自転車部品のシマノは世界に誇るリーディングパンパニーだが当時は全て欧米製品を研究してノウハウを蓄積中。横尾双輪館・横尾明さんは海外事情について1953年に入会したNCTC(日本サイクリスツ・ツーリング・クラブ)の先輩たちから薫陶を受けて知見を高めて取り扱いブランドを吟味。
ニュー ホルクス
東叡製ハイテンションバテッド管低温溶接ラグレス
角度71度
ホイール26×13/8吋
ブレーキ軽合金サイドプル
スペシャル価格2万4500円
2万5750円(月賦価格)
光風ケンコー号
普通鋼管 角度71度 ノースロードフラット型ハンドル、
外装3段変速。デラックスは軽合金ブレーキ、発電ランプが付属。
スーパーデラックスはフレーム素材がハイマンガンダブルバテッド。軽合金マッドガードが付属。
3型ジュニア 2万500円
2万1550円(月賦価格)
2型デラックス 2万6500円
2万7850円(月賦価格)
2型スーパーデラックス 2万9500円
3万1000円(月賦価格)
シルク号 RF(片倉)
13.72kgの軽量を誇る。低温溶接フレームが自慢。ハイテンションダブルバテッド及びクロームモリブデンパイプ。角度71度。ハンドル軽合金フラット。ホイール26×13/8吋。ブレーキ軽合金サイドプル。外装3段変速。
2万8000円
2万9400円(月賦価格)
片倉は1951年にアメリカ特許ユークティックの超強力低温溶接合金を用いて700度の低温でフレーム溶接できる技術を得て、ローマオリンピックに使う機材供給も出来ていた。光風は、後にゼブラと合併してゼブラケンコーを名乗る。光風は軽快なスポーツ車のイメージだった。
それにしても月賦販売、「よく売れたけれどね、集金には苦労した」と横尾さん。60年代には買う方にも売る方にも都合のいい信販会社によるクレジットカード販売になった。