ジャパンパンチのポンチ絵で親しみあるラントン、どんなバリエーションがあったのでしょうか?
メカニズムの基本は、大きな主輪2つと、小さな車輪です。手と足を使って駆動し、片方の手で操舵できるが、イギリスとアメリカの特許を比較すると大きな違いがある。イギリス特許は、主輪に固定されているクランク付き車軸への踏み板と、ハンドレバーの両方の接続を新しいとして主張。クランク車軸を介して両方の主輪への駆動を想定。
両者とも最初は、ハンドレバー上部に取り付けられた<ハンドルからメインフレームのスロットまたは溝に取り付けられた前輪車軸までのチェーンまたはコードによる間接的なステアリング配置>を独自のものと主張。ただし、実現する方法は若干異なり、英国特許では両方のハンドルの使用が必要ですが、米国特許では1 つのハンドルのみを使用します。
イギリスの特許図面には単純な接地ブレーキが示されましたが、翌年のアメリカ版にはありません。「The Mechanic」の記事には、「ほとんどのベロシペードには急停止の必要性に対する備えが設けられておらず、事故はしばしばこの原因によって引き起こされたが、ラントンはほぼ即座に停止する可能性があり、ゆっくりと坂道を下りていたのは、車軸が接続されている踏み板とハンドレバーを拘束するために同時に力を加えることにより、後車軸が車輪を回転させるのを防止または抑制するという単純な手段によって達成されたと思われる、と記されています。こりゃ全身運動!
『ザ・メカニック』の記事によると、「医学雑誌はラントンが私たちの身体構造の健康的な活力を呼び起こすように計算されていると賞賛」と紹介し、特に『ランセット』は「厳密に医学的な観点からラントンを考慮すると、 過剰な負担をかけないように、しかし体の筋肉を活性化させるように、よく計算されているようです」と褒めています。
四肢すべてを使えば、ラントンは速度が出たそうで、「時速 8(12.8km)~14(22.5km) マイルの速度で推進できる」と広告で謳っています。
ラントンは少なくとも 3 つの英国企業によって販売。ストランド、エセックス・ストリートのチープサイドのチャールズ・ポメロイ・ボタン氏、ランサム氏、そしてバーミンガムのボーデスリー・ワークスのペイトンとペイトン氏の工房。
四輪仕様のラントンもありました。
1865 年 9 月 23 日付の『サイエンティフィック アメリカン』誌に掲載された「改良型ベロシペード」と題されたイラスト広告で、この機械は「イギリスで非常に人気がある」と述べられています。ペイトンとペイトンは 1864 年に作っていたらしい。価格は主輪サイズによって異なり、通常は 8 ~ 14 ギニーの範囲でした(ボタンの広告では5 ~ 25 ギニー)。*1guinea金貨は21シリング相当。
正直言って、14ギニーがどれほど高価であるのかピンときません。でも、外国人居留区の住人がこれで日本の町に繰り出したら目立つ!!
参考:「The BONE SHAKER」NUMBER122 SPRING1990