子供のころ、裏のお寺にとても大きな銀杏の樹があった。
秋風が吹くと、枯葉と銀杏がポト、ポトと落ちてきたものだ。

母がつくる茶碗蒸しに、たまに銀杏がポツンとのっていた。
でも、茶碗蒸しの椀は小さいことが不満で、銀杏はどうでもいい存在。
プリンも、茶碗蒸しも、洗面器のサイズで食べたい!
子どもの感じ方なんて、そんなものでしょう。

掲載した銀杏は、近所の公園で拾ったもの。
とても粒が小さいが、採れたての銀杏です。
ほとんど拾う人もなく踏み潰されるがままで、もったいないと憤慨。
拾って持ち帰り、介護用手袋で実を剥き、バケツに浸けて水洗い。
二日間、天日干しをした。好天続きでしたから!

剥いた実はとても臭うのだが、屋外ガレージでの作業だから気楽
ガキのころは魅力的ではなかった銀杏。
でも、嗜好は年月を経て変化する。
大人になり、洒落た呑み屋でお通しの銀杏に再会。
白磁の小鉢に、竹串に刺した銀杏。
その美しさ、視覚に訴えてきた!
翡翠の色。
和食用語に、“翡翠煮”がある。
鮮やかな緑色がアクセントの料理。
翡翠色を際立たせるのは、白磁、ガラス器、青や黄の小鉢や皿。
僕は中華の“鶏肉と銀杏の中華炒め”も好き。オイスターソース味のコクのある炒め物のなかに、銀杏のねっとりとした食感がアクセント。

縁側に新聞紙を広げて二日間の天日干し。のどかで良き哉
ネット情報で調べたら、薬膳において銀杏は白果[はくか]で、体内に漏れ出るものを引き締める作用を持つそう。肺を温めて、慢性の咳や痰、喘息の症状を鎮める働きがある。
膀胱の働きを補い、頻尿や夜尿症、女性の過剰なおりものを抑える。
腎の気を補い、老化に伴う衰えや疲労の回復をサポートするとされる。
しかし、食べ過ぎは害になるそうで、大人は一日10粒が目安とか。
電子レンジ(500W)で1分間のチン、ひび割れたところから殻を剥がすと翡翠色の仁が現れる。美しい!

軽く塩を振ると、ビールのつまみによかったです。