ドライス男爵の歩く機械は地面を足で蹴ったが、同じドイツ人の「ルイス・コンペルティ」(LEWIS COMPERTZ)は手と上半身で推進力を得るアイデアを1821年に発明した、とニューサイクリング(1966年4月号)の記事にはあった。これは興味深い。
二輪車の前段階でコンペルティは、前輪に取り付けてある推進レバーを足と腕、またはどちらか一方で動かす三輪車を作った。その後に二輪車を作ったそうだ。前輪の左側にノッチ付きのリングがあり、これに歯の付いた部品が組み合わさり、この部分を両手で動かすと走りだす。固いクッションは乗り手をしっかり支えることができていたし、イラストをよく見ると胸の部分を支える装置がある。鉄フープ(帯鉄)の車輪がつき、全体は木で作られた。アイデアは洗練されていたがパテントを取得しなかった。
彼の発明のなかには後にチェーンを使わないドライブ方式の萌芽もある。自転車発展のなかには様々な試みがあったわけだ。
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イラスト:「オランダの自転車風俗画」ニューサイクリング1966年Vol.4より引用(元資料:©️1949:Lemet.Hilversum.Holland)