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写真は“サス21”。正式名称は「AeroSwing Superlight Suspension SUS21」。覚えていますか? 株式会社SUS21が「ビジネスプラザ京都2001 in TOKYO」で京都のベンチャー中小企業の発表・展示で、<新原理を適用した懸架装置技術の普及>という発表テーマで出展した記録がウエブ上にあるので、もう20年前の製品。え、新原理?

ご覧になれば一目瞭然、オートバイのトレーリンクアームですね。リング状ゴムがフォークブレイズに固定されていて、車軸を受けるエンド部が路面からの衝撃を受けるとちょっと後ろに捻れてスイングする。動きはほんの数ミリ。アメリカ、台湾などでパテントを取得していた。

これを東京—糸魚川ファストランという長距離ランで使ったことがある。“太平洋で汲んだボトルの水を日本海に注ぐために300kmを1日で走破”するというロマン溢れる趣旨の大会。早朝にスタートして東京から笹子峠、甲府盆地、富士見峠、諏訪湖を経て塩尻峠を越えればあとは下るだけだが疲れているので最後に控える長〜くゆるやかに曲がる暗いトンネルの路面からの突き上げに苦労する。が、サス21のちょいサスは突き上げでハンドルを保持する労力・気力を実に軽減してくれた。

サス21だけでなく、「ロックショックスParis Roubaix SL 700c ロードバイクサスペンションフォーク」も別シーズンの東京—糸魚川で使ってみたがこれも良かった。こちらは製品の重量が重めが玉にキズだが、30mmトラベルのちょい動きが疲労時には操安性に気を遣わないですむ恩恵の方が大きかった。

フレームの剛性はカーボン製レーシングバイクでは高剛性が好まれるが、快適性を求める場合は適度に柔らかいフレームの方がいい。フォークも同様で、サス21などのようにちょい動きサスの動きが適度であれば好ましい(昨日のFuture Shock 2.0はステムにあるノブでサスの動きをオープン&クローズし、リバウンドは油圧式減衰機構で制御)。

少しだけ動く程度なら常にしなるフォークでも問題ない。第二次大戦後の実用車に散見したスプリンガーフォーク(フォークブレイズと並行して棒状スプリングが可動)のように全体でしなってトレール量が変化してくれるのも操安性に問題なかったではないか。

振り返るとサス21は「新原理」だったのか? ま、操安性には多大な恩恵を実感した。通常は剛性のあるカーボンフォークだが、突然の突き上げにはスイングして危険なショックを逃してくれた。そこを評価したい。どちらにしろ、ちょい動きサスは未来永劫ロングライドに最適という結論だ。

Post Author: coppi