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「これは山本秀男さんがライカで撮影した軽井沢の写真で、前がパターソンズハウスの太宰茂秀さんで後ろが私です」と教えてくれたのはサイクリング写真集団を1970年代に立ち上げた原明吉さんだ。四つ切りサイズのプリントは多分60年代のものだろう。

写真趣味の人はフィルム感度がASA100で絞りは5.6くらいかなと読むだろうか。人物の肌は濃度18%としてそれを基準にプリントの暗室ワークの腕前をチェックするかな。いやはや、写真趣味ってねぇ。

“ライカ版”という言葉がありました。いわゆる35mmのフィルムカメラは、縦36mm横24mmの画面フォーマットをライカ社が最初に採用したのでライカ版なのですが、ライカ判と言うだけで値打ちが高いような印象があった。

太宰さんは第一次サイクリングブームを象徴するようなスタイル。ハンドルはドロップでないもののカンティレバー式ブレーキにブロックダイナモでスピードメーターも装備。かなり本格的。原青年はキャリパーブレーキでフロントバッグがずいぶん高めに付いているのがブ〜。点数が厳しいかなぁ。

こうして一枚の写真を肴にしてマニア同士なら何時間でも過ごせるところが、趣味の愉しさですね。モノクロームの紙焼きプリント。味があります。

昔のサイクルツーリングは“クラブラン”という走り方が主流。イギリスのクラブ組織を手本にして日本のサイクリング界は成立。この写真を撮影した山本氏は編集者ですが日本最古と言われるNCTC(日本サイクリスツ・ツーリング・クラブ)51番目の正会員。筋金入りのサイクリストで愛機はライカです。

Post Author: coppi