タンデム自転車はいま、25府県(2020年1月)で公道走行を解禁。青森や奈良県も道路交通規則改正に向けて動いている。また、東京都をはじめ自転車専用道路など限られた場所では乗ることができる。
全長が約2.5mのタンデム自転車は、法律上では“普通自転車”(全長190cm、幅60cm)でないために軽車両扱い。サドル・ハンドル・ペダルが複数付いていても、原則自転車2人乗り禁止(児童は乗車装置があれば可)なので複数人では乗っちゃダメ! でも、1人で乗るのはOK! ややっこしい〜!
視覚障害者へのサポートもありバックス事務所は3年前から、たちかわ創造舎でレクチャー(1時間3,000円)を実施。それもあって今回、群馬・前橋で教えさせていただきました。群馬県は2015年からタンデム自転車の公道走行が解禁。しかし、活発には利用されていません。
タンデム自転車は長くて重い。だから慣れが必要。とはいえ、それなりに体力、平衡感覚がある人ならすぐに扱えます。ただし、最初から2人乗りは危険、御法度。段階を踏んで慣熟してもらいます。初めてタンデム自転車に乗るときは必ず、単独で走り・曲がり・制動してみてください。
前に乗って操縦に責任を持つ人は、パイロット、またはキャプテンと呼びます。後ろに乗る人は、ストーカーと呼ぶ。 え、ストーカー(STALKER)って付きまといの変質者かって? いえいえ、それは早とちり。機関車のストーブに石炭をくべる=パワーを与える役目があるからストーカー(STOKER)なのです。
タンデム自転車は、前後の人同士がコミュニケーションをよく図らないとスムーズに乗れない。声がけ、合図、大事です。ストーカーはパイロットを信頼して任せる。勝手にバランスを取ろうと動けば危ない。安全に走るためのノウハウがあるのです。
子供が大人に乗せてもらえば大人の速いスピード、カップルで走ればより親密に、足腰や視力の弱った人はダイナミックに風を切る爽快感を、タンデム自転車だからこそ満喫できます。 タンデム自転車に触れる機会は少ないので、観光地や公園のレンタルサイクルでタンデムを見つけたらぜひ、大事な人と挑戦してください。上の写真は前橋のTeam Reinaの女子ライダーが、ロータリークラブが寄贈してくれたタンデムを使ってライディングの見本を示してくれているカット。声がけしてからスタート!
2020年夏には赤城山の大沼に、レンタルでタンデム自転車が配備されるそうです。今回受講した人たちが、群馬県のタンデム自転車伝道師になってくれたらうれしいな。
図は「タンデム自転車交流協会通信」より引用。緑が公道解禁、赤が規制解除に向けて動いている地域