1903年から始まった「ツール・ド・フランス」。開始から10年ほどの総合優勝バイクブランドを改めてチェックしよう。1909年の第7回から10回目まで総合優勝に輝いた自転車ブランドはアリシオンだ。年表で一目瞭然だがアリシオンとプジョーは好ライバルだった。
初期ツール・ド・フランスの総合優勝ブランド
開催年 総合優勝選手(国籍) スポンサー(自転車ブランド)
1903年 モーリス・ガラン(FRA) La Française (DIAMANT)
1904年 アンリ・コルネ(FRA) Cycles JC –Michelin またはConte(?)
1905年 ルイ・トゥルスリエ(FRA) Peugeot–Wolber(プジョー)
1906年 ルネ・ポッティエ(FRA) Peugeot–Wolber(プジョー)
1907年 リュシアン・プティ=ブルトン(FRA) Peugeot–Wolber(プジョー)
1908年 リュシアン・プティ=ブルトン(FRA) Peugeot–Wolber(プジョー)
1909年 フランソワ・ファーベール(LUX) Alcyon–Dunlop(アリシオン)
1910年 オクターヴ・ラピーズ(FRA) Alcyon–Dunlop(アリシオン)
1911年 ギュスターヴ・ガリグー(FRA) Alcyon–Dunlop(アリシオン)
1912年 オディーレ・デュフライエ(BEL) Alcyon–Dunlop(アリシオン)
1913年1914年フィリップ・ティス(BEL)Peugeot–Wolber, La Sportive(プジョー)
アリシオン創業は1890年頃で、エドモンド・ジェンティルが自転車製造を手がけたあとにオートバイや自動車を生産。プロサイクリングチーム活動は1905年から1959年まで熱心に取り組み、第一次大戦前にツール4連覇やチーム賞を獲得。この当時が最強だった。
写真は以前に紹介したT.Y.さんが所有する1920年代の車体。なんと、2020年の沖縄ブルベはこれで完走したそう。「クセがなく非常に乗りやすく長距離向き。ラグレスフレームにアルシオンのAをもじったフロントギヤがお気に入り」との由。今だに現役なのだ!
第一次世界大戦直後、フランスの自転車界は1919年から1928年までツール・ド・フランスを「La Sportive」の名で共同戦線(オートモト、プジョー、アルシオンなど)を張って戦った。アリシオンは第二次世界大戦後、Alcyon-BP(1946–1949)、その後にAlcyon-Dunlop(1950–1954)となり、伝統のチーム名は1961年と1962年に記録に残る。
参考サイト
https://www.bicycling.com/tour-de-france/g22059401/tour-de-france-winners/?slide=10
https://en.wikipedia.org/wiki/Alcyon_(cycling_team)
photo©︎MASAYUKI rocky TSUYUKI&coppi