日本に明治時代初期、外国人居留区だった横浜や神戸で走り回っていたのが欧米のガタクリと言われたホビーホースやミショー型、時が進みセーフティー型となりよく売れていたのがアメリカ製のデートンとクリーブランド。どちらも明治時代の後期に250円だった超高級車です。
古い自転車を撮影する機会がありクリーブランドに触れました。映画「明日に向かって撃て」でヒーローがヒロインをトップチューブに座らせたのがこれではないでしょうか。
自転車はドイツで生まれてフランスで育ちイギリスで洗練された、とも言いますがどっこいアメリカも負けてはいません。自転車の世界選手権が初めて開催されたのは1893年でシカゴです。レースをするほど自転車の生産もし愛好者もたくさん居たのです。
デートンとクリーブランドは明治時代、上野・不忍池や九段・靖国神社の馬場で行われたマイルレースでも輸入元のお抱え選手が走って観衆を沸かせたそうです。
そんなクリーブランド、なんとBBは偏心ハンガーです。チェーンの張りを調整したのかな。ご丁寧にリヤエンドは下向きの正爪でチェーン引きもあります。よっぽどパワフルな走りを演じてチェーンが伸びたのでしょうね。
このハンドル、裏返して取り付けるとセミドロップになる。グリップは木製かエボライトか判別できませんでした。ツール・ド・フランス初期のレーサーたちも同じスタイルのハンドルですね。
フレームには面相筆による線引き。高級車の証! ビンテージ自転車はいくら眺めても飽きることがないって、あいや病膏肓ってことですね。あなたもそうでしょ。