Y21CBは、大きなディンギーとも言えるYAMAHA製のヨットでした。
残念ながら写真は残っていません。先日、イギリスのTV映画『ヴェラ〜信念の女警部〜シーズン12』を視聴したら、同じようなヨット“Parker235”(推定)が登場。

画像©️ 『ヴェラ〜信念の女警部〜シーズン12』より引用
僕は1990年(平成2)に小型船舶免許と海上特殊無線技師の資格を取得。その夏に雑誌『舵』の中古売買欄で4人乗りのディンギー、“シカーラ”(13ft)を購入して2シーズン乗ってから、8人乗りの中古セーリングヨットである“Y21CB”(21ft)を70万円で購入。21ftという大きさは全長が約6.4mで、クルマで言えば2tロングトラック。

画像:富津の河川に係留されている誰かのマストを外したY21CB
居住性は優れていて大人2人(定員8人)がゆったり過ごせるキャビンがあり、小さなギャレー付き。ただし、トイレはないのでポータブル式トイレを持ち込んでいました。このヨットの特徴は、起倒式マストと、鋳鉄製キール(センターボード)を船体に引き込めたので、船台に搭載すればクルマでどこにでも引っ張って運べ、スロープ、砂浜などで自由に揚げ降ろしできて、浅瀬も航行でき、超便利な仕様。

画像:ネット検索で見つけた後ろから見た Y21CB
しかしクルマで牽引利用はせずに、当初は河川係留でした。が、最初の台風シーズンを経験してすぐにマリーナ探しを開始。なぜなら暴風雨の河川では、もやい綱を何度も何度も締め直し、上流からの流れてくる大きなゴミから船を守るために徹夜で嫌になった。
幸いなことに東京湾の出口に近い房総半島側で、陸置きできるマリーナと契約できた。ここは格安料金なのに待遇最高。三浦半島の城ヶ島や富士山がクラブハウスから臨め、風呂は24時間いつでも入浴可能で、宿泊も自由というこれ以上ない好条件。

当時、長女がまだ幼稚園児でしたが、僕は金曜夜から日曜夜までクラブハウスに入り浸りで、大概は早朝から夕方までシングルハンドであてもなく東京湾観音から舘山あたりのエリアをセーリング三昧。風がないと、島陰にアンカリングして泳いだ。浮島がお気に入りスポット。

不在の父を慕う長女が当時書いてくれた小さな絵本がある。タイトル『ぱぱのぼうけん』。
見開き2つの物語は、<パパは朝から夜まで帆走してマリーナで寝ている>と、娘視点の父親像を表現(母親視点?)。

ごめんね、パパはひとりでいつも海と一緒でした。
遊び道具としてのY21CBは、メインセールをブームに巻き取るローラーファーリング。これは、海況が悪くなったときにひとりでも簡単にセール面積を縮められた。また、鋳鉄製センターボードを巻取り式ワイヤで上下できるリフティングキールなので、海堡の砂浜にビーチングして潮干狩りなんてことが気軽にできた。耐候性十分で使いやすく、頼れる相棒だった。
酷暑を避けて机に向かい、Y21CBを懐かしく思い出している。