僕は大好きです。ペンで描かれたF.パターソンのイラスト。
自転車乗りの目から見た自然のさまざまな一瞬が、繊細でいて、躍動感に溢れ、描かれている。風や雲。 流れる路面。 ダイナモの光に淡く照らされる夜の静寂。 潮風。 草いきれ。 それらの匂い、肌感覚、見え方、ああ、五感に伝わってくる。
フランク・パターソン(Frank Patterson)はイギリスの港町ポースマスで1871年に誕生。幼い頃から自然やスケッチを好み、地元の美術学校で学んだ。海軍将校の父のもとで育ち海軍に入隊したが、画家を目指してロンドンに出る。生業のために広告スタジオに勤務して家具や建物のイラストを描いた。当時流行の自転車に乗って郊外の田園地帯をサイクリングするようになり、雑誌『Cycling』に送ったペン画が認められて掲載された。後にサイクリング・ツーリスト・クラブ(CTC)の雑誌『CTC Gazette』などに生涯で約2万6千点を発表。
1895年、最初の妻と結婚してサセックス州の片田舎に廃屋同然だったエリザベス朝の農家を修繕してペア・ツリー・ファーム(Pear Tree Farm)と名付けて移り住む。電気も水道もないファームでの自給自足生活を基盤とし、そこが仕事場になった。
1906年、足に怪我を負い自転車に乗れなくなったが、写真や資料を基に愛用のガチョウの羽ペンで描き続けた。1920年、再婚。二女二男の父。1948年、テンプル・プレス社より厳選された150点による『サイクリング・ユートピア パターソン・ブック』(Cycling Eutopia Patterson book)が出版された。1952年、チチェスターの病院で死去。遺言により遺灰は自宅梨の木の辺りに撒かれた。享年81歳。
自転車旅が好きな人はぜひ、彼の世界に触れてみてください。
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